28

中央線と暮らす〇〇(まるまる)
中央線と暮らす「高円寺のフリーペーパー」な人

2025.02.13
INTRODUCTION
魅力・不思議
活気と個性があふれる「高円寺」。 カレーなる戦いでもお世話になった「高円寺フェス」を企画・運営する「ホットワイヤー」さんは、その他にも地域のイベントやデザインなどを行っているみたい。さらに個性派フリーペーパー「SHOW-OFF」の発行やアンテナショップの運営、最近では「タフティング」ができるカフェをオープンされたみたい! 今回はそんな様々な視点・アイデアで地域を盛り上げる「ホットワイヤー」さんにお話を聞きました。

●「中央線と暮らす〇〇な人(企業)」

「中央線と暮らす〇〇な人」では中央線沿線で活躍する企業や人に注目して、その活動や魅力を伝えていきます。

第10回は高円寺でフリーペーパー「SHOW-OFF」の製作から「高円寺フェス」「熱汁祭」などのイベントの企画、体験型ギャラリーやアンテナショップを運営する「HOT WIRE GROUP」さんです。

1.個性派フリーペーパー「SHOW-OFF」

今回の「SHOW-OFF」も尖ってますねぇ~!

「高円寺フェス」の時にももらった「SHOW-OFF」だよね!
なんか全然雰囲気が違う…!

最新96号と2023年に発行された91号

「色々な十字架」が大きく書いてあっても、コンテンツには「高円寺のまかないメシ」や「高円寺のマッチョ店員」、このギャップも良いんですよぉ。
まさに高円寺らしいフリーペーパー、いや「SHOW-OFF」が高円寺らしさを作ったのかもしれない…!

「SHOW-OFF」はフリーペーパーでも圧倒的文字量だよね…!
音楽系のコンテンツも豊富でコラムもあったり…。フリーペーパーとは思えません!

なんでフリーでこんなにも素敵なものができてしまうのだろう…。
ここはやっぱり「SHOW-OFF」を編集・制作している「ホットワイヤー」さんにお話を聞いてみたい!

※「HOT WIRE GROUP」代表、「SHOW-OFF」編集長の佐久間さんがお話してくださいました。

こんにちは!
当たり前のように手に取っていた「SHOW-OFF」ですが、表紙の皆さんも著名な方がいらしたり、内容も充実していたり…、何より現在で96号も発行されています。
地域のフリーペーパーとしては異彩を放っている印象ですが、こちらはどうのようにこちらは制作をされているのでしょうか?

こんにちは。
「SHOW-OFF」は年に4回発行しているので確かに来年にはちょうど100号になりますね。
実は2000年に創刊した時には、フリーペーパーとして続けるつもりはなかったんです。

しっかり続いていることも、創刊から25年経っていることも驚きです!
創刊号をお作りになった理由はどういったものだったのでしょうか?

私が当時は古着屋と「ホットワイヤーカフェ」の運営していました。
作った理由はそのカフェの宣伝をしたいなというところからなんです。
そんな理由で始めたのですが、当時は今のように写真も気軽に撮れるわけではなく、印刷もネット印刷もなく価格も高かったんですよ。
カメラマンさんを呼んだり、印刷所さんを決めていく中で、ここまでやるなら高円寺のマップや情報も入れてみようと考え、古着屋のマップに特集を加え16ページの冊子にしたのが「SHOW-OFF」の始まりなんです。

「SHOW-OFF」創刊号と第2号

古着屋さんがそこまでやりきることも凄いですね…!
そこで反応が良かったから2号と続いていったのでしょうか?

そうですね。実際に古着屋さんからも好評で「また作ってほしい」という声もあり、2号目も制作しました。

「作ってほしい」は嬉しいですが気になるのが制作費…。このクオリティをフリーペーパーで続けるための制作費はどうなっているのでしょうか?

2号目を作った時からしばらくの間は広告費をいただいて制作を行っていましたが、ある時期からは広告をとらずにボランティアのデザイナーさん、ライターさん、カメラマンさんが参加し印刷費を弊社が負担する形となりました。
「やりたい人がやりたいものを記事にする」、自分たちで全てやっているからこそ、内容も自由にできて、ここまで続けてこれたのだと思います。
※2020年に外出や店舗営業の制限があり1度だけ休刊があったそうです。

このぎっしり「好き」や「自由」が詰まったフリーペーパーができる理由がわかりました~!
でも表紙には著名人やお笑い芸人、ミュージシャンの方も出ていますよね。流石にそちらは…?

そちらもボランティアでご協力いただいていますよ!
ミュージシャンの繋がりから始まり25年の期間の中で更に繋がりが増えていきました。
あの人が無償で参加しているなら自分も…、といった形で出てくれるようになりました。

地域情報だけではなく、今では少なくなったインディーズ音楽雑誌のようなコンテンツも最高ですよね~。

「SHOW-OFF」は合言葉を「捨てられないフリーペーパー」としているので、そう感じてもらえると嬉しいです。
テーマや表紙を飾る人たちが毎回違いますが、「好きなこと」が伝わるフリーペーパーだと思います!

毎回個性が違うことも集めたくなるポイントですね~!
高円寺の情報もたくさん載っている「SHOW-OFF」ですが、佐久間さんはどうして高円寺で古着屋さんを始めたのですか?やはり古着屋の街だからでしょうか?

その時に住んでいた場所から近かったり、家賃だったり、知り合いがいたり…。
そんな理由ではありますが、私が古着屋を出す準備をしていた頃、高円寺には古着屋が4・5軒しかなかったんですよ!

え~!知らなかったです~。
昔からこういった古着やヴィンテージの街だと思っていました。

1995年に古着屋をオープンした頃には、その数店舗も閉店していたため、古着屋はうちだけで今とは全然違う様子だったんですよ。

いつ頃から古着屋さんが増えたのでしょうか?

オープンから5年後の2000年、「SHOW-OFF」を創刊した年には何十倍の数になっていました。

古着や音楽のお店を中心に紹介する創刊号のマップ

高円寺の街は今も変わり続けているなと思います。
昔、「SHOW-OFF」で高円寺でも入りにくい店として紹介してたお店が、今は若い子が並んでいたりしますので(笑)。

高円寺は街を歩いている人たちも個性的ですよね!

2.秋の大文化祭「高円寺フェス」

高円寺の古着屋さんをけん引したといっても過言ではない「ホットワイヤー」さんですが、地域のお仕事を行うようになったのはいつ頃からでしょうか?

やはりこれも「SHOW-OFF」の制作がきっかけだと思います。
冊子制作のノウハウが身についたこともあって、杉並区役所の児童青少年課から子供たちと雑誌を作る話がありました。その他にもそういったデザインのお仕事の話、イベントの話と広がっていったんです。
今となっては「まちづくり会社」としてやらせていただいています。

杉並区内在住・在学の中学生〜大学生が1年間かけて1冊の雑誌「cedre」を作り上げました。

「SHOW-OFF」を続けてきたことや、地域への考え方などすべて重なってきたことですよね。
続けてこられたことは簡単には語れませんが、間違いなくたくさんの人たちが「ホットワイヤー」さんの企画や作ったものなどから影響を受けていそうですね!

「高円寺フェス」はカレーなる戦いだけじゃなく、子供向けのワークショップもあったりとっても楽しかったです!
「高円寺フェス」はどうして始めたのですか?

こちらも「SHOW-OFF」を作ったことがきっかけなんです。
制作に音楽関係者が多かったので、野外フェスをやってみたいねとなりました。

野外フェス!今では「秋の大文化祭」がキャッチコピーで音楽はもちろんたくさんの企画がありますよね。

親子ワークショップまつり

今の形になる前には「第0回・高円寺フェス」と言っているイベントがあったんです。
最初、野外フェスをやるための会場を相談して回っていたのですが、ことごとくお断りされてしまい…。ただメンバーとしては開催する気持ちでいるので、ひとまず高円寺ではない新宿のライブハウスでなんとか開催したんです。

まさかのシンプルなライブになってしまったんですね…⁉

いえ、この時はドラマーだけを集めた企画として、かなり有名なバンドからも参加してもらったりしました。

フリーペーパー同様に尖ってますね(笑)。

そこから会場を「道」としてなら高円寺で開催できそうとなって無事に第1回を開催しました。
この時はお笑い芸人さんを呼んだり、スタンプラリーを実施していました。
スタンプラリーの景品は古着屋さんが協力してくれたので、今思うととても贅沢な賞品でしたね。
最初こそロックフェスではありましたが、地域の皆さんが楽しめる、音楽だけではない受け入れやすい企画を増やしていきました。

プロレス、とっても迫力がありますよね!いつも楽しみ!

高円寺ドリームマッチ&パフォーマンス

屋外でのプロレスは大賑わいで大成功でしたね!
格闘技とはまた違って劇のように皆さん笑って見てくれます。
加えてリングをステージがわりにも出来るので一石二鳥なんです。
プロレスをした会場で小さいお子さんのダンスやアイドルライブも開催できるんです。

まさに高円寺の秋の文化祭になってきた感じですね~。

高円寺アパートメント ワイン&ビールフェス

野外フェスがしたい、そんな理由の他にもう一つ「高円寺フェス」を開催する理由があるんです。
高円寺といえば阿波踊りなんですが、物販のお店の多くが阿波踊りのタイミングでお休みにしていました。
街を活性化させるためにはお店も潤わないといけない、イベントも継続もできないと思い、「お店に目を向けたイベント」として「高円寺フェス」を企画しています。

高円寺南4丁目マチナカフェス

確かに「カレーなる戦い」などのイベント出店の他にも、300近くのお店が参加されていますよね!

見て楽しむもの、食事や体験をするもの…。
「高円寺フェス」の企画はみんなが楽しめる工夫されていますよね!

そうですね。
小さいお子さんから大人までたくさんの人が楽しめるようにしています。
「ぐるミュー」という企画では普段バンドや音楽活動していない方が応募してライブハウスで3曲だけ演奏ができるものですが、高齢の方も参加くださっているんですよ。

ぐるミューの様子

ライブハウスを借りて演奏は気軽にはできないのでめちゃくちゃ嬉しい企画ですね!
毎年楽しく参加している「高円寺フェス」、残念なところがあるとすれば楽しい企画がたくさんで時間が足りないことです~!
2月には「熱汁祭」も開催していますよね!こちらはどんなイベントですしょうか?

第7回・熱汁祭
開催日 2025年2月15日(土)16日(日)
会場 高円寺駅北口
HP https://www.hotwireshop.com/service/atsujiru/

高円寺四大祭りの一つ「高円寺演芸まつり」と同時開催しているイベントです。
高円寺駅前北口広場受付でチケット(800円)を購入すると、2つのカップで好きなお店のスープや煮込みをいただくことができます。
カレーよりは出店しやすいこともあり、2025年は新規のお店の参加も多くなり全部で13店舗が参加してくれています。

「カレーなる戦い」に負けない個性的なラインナップ!
どれもいただきたくなりますね!

ぐぅ…、13店舗だとチケット7枚か…。

「カレーなる戦い」でも全店舗制覇しようとしてたね(笑)!

2月の寒い時期に開催するのは珍しいですね。

高円寺の飲食店さんで冬のイベントがないねというところから始まりました。
「カレーなる戦い」はお客さんが選べるスタイルがヒットしましたので、冬はスープでやってみたらと開催したんです。

会場の高円寺駅前北口広場の様子

飲食店さんでの雑談から毎年続くイベントが生れるんですね…!

そうなんです、弊社はきちんと形にすることに自信を持っています(笑)!

になっているの説得力がありますね~。素敵です!
それでも形にして続けるのは大変ですよね。

そうですね、なんでも続けることが大変で大切だと思いますので、「続ける」を気にしながら企画もしています。

第7回・熱汁祭 スープ

3.そうだラグマットを作ろう

ホームページを拝見したら、ラグマットを作れるカフェギャラリーや山形県飯豊町のアンテナショップの運営もされているんですよね!

カフェギャラリー「M.A.P.」は2024年6月にオープンしました。
「Maniac Artist Port」の略で個性的なアーティスト、クリエイターの作品の展示・販売を行っています。そこでは「タフティング」と呼ばれる専用マシンでラグを作るワークショップも体験できます。

M.A.P.
住所 杉並区高円寺南4-22-1
営業時間 11時〜19時
定休日 水曜
HP https://map-koenji.com/

気になっていたんです!タフティングは気軽にできるのでしょうか?

ご予約いただければ、講師が付きますので気軽に体験できます。
自分オリジナルのものを体験したい場合は40x40cm程度のサイズのものが作れる「オリジナルラグ制作体験コース」(24,000円)、30cmの丸ラグを15種類のデザイン案の中から選んでお作りいただく「まるラグ制作コース」(12,000円)があります。
体験は複数人でご参加いただければ料金がお安くなります。

お店に伺った際に講師をしていただいたrieruさん。

Inucatcherの名前で活動しているラグ&グラフィックデザイナーさんです。

お店にあるサンプルや商品もとってもかわいい!
これは手作りしてプレゼントしたり、友達と体験したり…。ワクワクしますね。

店内でも使われている「まるラグ」

店内には作家さんの作品の販売もあります。

制作については長時間作業ということもあり中学生以上のご参加でお願いしていますが、大人の方と一緒にお手伝いなども可能かと思います。

「オリジナルラグ制作体験コース」では複雑でなければ自由なデザインが可能。

プロジェクターで映して線を描きます。

作業は「タフティングガン」で行います。

メッシュ状の生地に毛糸を打ち込んでいきます。

シンプルな作業でありながら夢中になってしまいます。

あっという間に時間が過ぎていきます…。

高円寺は子ども向けの体験施設「IMAGINAS」さんもありますが、こういった大人の体験も嬉しいですね!
そしてギャラリーでの展示も個性的で楽しい!

1月25日から2月2日まで開催されていた「くせキャラ」の展示・販売

タフティング作業は腕も疲れるのでカフェで休憩しながら楽しむのがおすすめ。

作業をされている方は100円引きの嬉しいサービスも。

ギャラリーの個展では、飲食のコラボメニューを提供していることもございます。
コーヒーもシングルオリジンなど、本格的なものを提供しています。

最後に山形県飯豊町のアンテナショップについても教えていただけますか?
山形県飯豊町のアンテナショップ「IIDE」は高円寺の小学生たちの農業体験の交流をきっかけに生まれたショップです。
こちらは2014年からお店はあったんですが、お店で米沢牛などの食事と日本酒の提供をしていたため、お酒を飲みに来る人が多くアンテナショップとは違った方向になってしまっていました。

こちらは2014年からお店はあったんですが、お店で米沢牛などの食事と日本酒の提供をしていたため、お酒を飲みに来る人が多くアンテナショップとは違った方向になってしまっていました。

お昼から楽しめる居酒屋さんのようになってしまったんですね…。

そこで2017年頃に弊社に依頼があり運営を引き継ぐことになり、2019年の3月からは飯富町の美味しいお米を贅沢に使ったおにぎりのテイクアウトをメインに形を変えて運営しています。

山形県飯豊町アンテナショップ IIDE
住所 杉並区高円寺北2-7-6
営業時間 10時〜20時
定休日 年始(年末は時短営業有)
HP https://iide-kouenji.com/shop/

「おにぎり」は現地のお米・食材がダイレクトに楽しめる感じがしますね!
でも「おにぎり」がメインなのはそれはそれでアンテナショップらしくはないかもです(笑)。

紀州南高梅

ブランド米である「つや姫」を毎日店内で精米し炊き上げているそう。

その他の具材も豊富で、飯豊産「金のいぶき」という玄米を使った魅力あるおにぎりがありました。

高円寺エリアでとは言え、山形のアンテナショップを運営するのは大変ではありませんでしたか?

山形に精通しているスタッフがいなかったので現地に訪れたり勉強していきました。
今では、飯豊町で農業体験や高円寺のシェフによる料理教室を開催をしたり、高円寺の飲食店で飯豊町の食材を使った料理を企画したり、高円寺と飯豊町との繋がりを活かした様々なイベントを開催しております。

米沢牛大すき重

「米沢牛」を贅沢に使った数量限定のお弁当も。お米はおにぎり同様に「つや姫」を使っているそう。その他にもこだわりのお弁当やお惣菜がたくさん。

農業体験などとっても楽しそうですね~!
本日はフリーペーパー「SHOW-OFF」から「高円寺フェス」「熱汁祭」、そしていろいろな体験までさせていただきありがとうございました!

「高円寺フェス」もとっても楽しみです!

★2月のプレゼント

2月下旬にご紹介する「パン特集」から「コックテイルハンバーガーズ」さん、「anno.」さん、「MOCMO sandwiches」さんの商品券(1,000円分)をそれぞれ5名様(合計15名様)に、中央線と暮らすアプリの1日1回運試しくじの景品としてプレゼントを予定しています。ぜひご応募ください。

※「中央線と暮らす」アプリをインストールしていない方はこちら