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●「中央線と暮らす〇〇な人(企業)」
「中央線と暮らす〇〇な人」では中央線沿線で活躍する企業や人に注目して、その活動や魅力を伝えていきます。
第9回は立川で「食」を通じて「地域」を盛り上げる「立川食べ歩き隊」の隊長木嶋さんです。

1.「立川食べ歩き隊」が誕生した理由
立川は大きな施設に大きな公園と生活に必要なものが充実しているけど、個人の飲食店も多くて楽しい街だよね~!
開発が進んでより住みやすくなっているね!
昭和記念公園もとっても楽しい場所だった~!
そんな立川には「立川食べ歩き隊」というグループがあるらしいんですよ!
立川のグルメ事情を知るには「立川食べ歩き隊」さんのお話を聞くしかないと思うのです…!
という事で…、なんと本日は「立川食べ歩き隊」隊長の木嶋さんがお話してくれることになりました!

※「立川食べ歩き隊」隊長の木嶋さんがお話してくださいました。
こんにちは!本日はよろしくお願いいたします。
「立川食べ歩き隊」さんは楽しく食べるグループなんですよね?
HPでは5000人もメンバーがいるグループと紹介されていたのですが…。
こんにちは。
「立川食べ歩き隊」は2015年の9月に立ち上げたグループで、今は8,000人近いメンバーとなっていますよ。

8,000人!
そんなにたくさんの人がどうやって集まったのですか?
10人くらいではじめ、最初の100人になるまでは1年以上かかりました。
僕から特に勧誘はしておらず、興味のある人が検索で見つけたりして入ってくれ、時間をかけて自然に大きくなりましたね。
数千人を超えたあたりから地域への影響も大きいと感じてもらえたようで、市内の事業者さんで新卒の皆さんに「立川食べ歩き隊」を紹介しているところもあると聞きました(笑)。
確かに「食べ歩き」は地域のことを知るには最適ですよね!
地域の様子もわかるうえに、美味しいお店も知ることができるので仕事の食事会などにも活かせてメリットがありますね。
立川のイベントは「食」が関わることが多いこともあり、私は今では「立川観光コンベンション協会」にもプロデューサーとして関わるようになりました。
確かに「食」のイベントには人が集まりますよね!
「立川食べ歩き隊」さんの基本の活動は「美味しいお店を巡る」なんですよね?
これまでどのくらいのお店に行かれたのでしょうか?
メンバーが行ったお店はコツコツリストでまとめているのですが1000店舗を超えていると思います。私自身も10年間で行ったお店は300近くになるかと思いますよ。
立川エリアだけでその数…!
メンバーの皆さん、美味しいお店のことに詳しそうでわくわくするグループですね~!
グループを立ち上げたきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
私が以前に立川の南口にある「子ども未来センター」に勤めていたのですが…、
「立川まんがぱーく」をはじめ、さまざまな支援やイベントをされている施設ですよね!
そうです。
当時、その施設を使う市民活動団体の皆さんのお手伝いをしていたのですが、利用する皆さんに近くで活動している人たちのことも紹介したいという想いがありました。
そしてある時、知人と「立川のここは行くべきBEST20飲食店」のような記事を見て、「これ全部行ってみましょうか!いろんなメニュー食べたいし人数がいた方がいいな~」となって、よりお店を楽しむためにとりあえず8名で予約しちゃったんです。
とりあえず…ということはその時はメンバーはまだ集まっていなかったのでしょうか?
その時はまだ「立川食べ歩き隊」もなかったので、予約してから1人ひとり声をかけて参加してくれる人を探したんです(笑)。
予約しちゃってから残りのメンバーを探すなんて斬新ですね(笑)。
でも、「おいしいよ」と紹介されるようなお店なので意外と皆さん行ってみたいという人も多くて、人数は毎回集まりました。
その声をかけていく中で、予定が合わなかった人たちとも行ってきたお店の写真を共有するためにFacebookグループのコミュニティを作り、そこで「立川食べ歩き隊」が誕生したんです。結果的にそれが人と人を知り合う場にもなりました。
本当に「楽しく食べに行こう!」から始まったグループなんですね~!

その頃、立川の観光振興計画の検討委員でもあったので、背景としてはこのグループを作った真面目な理由もありました。
立川市の人口推移のデータを見ると、多摩地域は大学も多く若い人たちもたくさん入ってきていたのですが、逆に出ていく人も多かったんです。
一度住んでくれた人が、転居するか住み続けるか。その分岐点が「5年」で、引っ越す人はたいてい5年以内、逆に5年以上住む人は長く立川に住み続ける傾向があることがわかりました。
大学も4年くらいですし、生活をしているとそのくらいで転居を考える人も多そうですね。
ですので、どうやったら「5年」を超えて住んでくれるのかな?と考え、皆さんが興味を持ちやすい「食」というテーマを使い、コミュニティを作ることで「自分に近い友人や知り合いがこの街にいる」と感じてもらえたら良いのではないかと思い「立川食べ歩き隊」につながっていきました。
楽しいの中にもちゃんと地域への想いが込められているんですね~!
2.「立川」への恩返し
木嶋さんはこのグループができたときに目標ややりたいことはあったのでしょうか?
現在もみんなで楽しく飲食をしようというのが前提で活動しています。
最初に話した「いろいろな人を知ってほしい」という想いもありますが、グループを異業種交流会みたいにはしたくなかったので「立川食べ歩き隊」のみんながつくれるオリジナル名刺を作りました。

わわっ!可愛いデザイン…。
そして裏面の「オシ店」と自己紹介「I AM」がいいですね~!

表面には個人情報は一切書かずメンバー証のようにしていて、裏面には自分の好きが分かるようにしました。
これを交換することで立川のおいしいお店コレクションができていきながら、「あ、このお店僕も好きです」とか「このお店は行ったことないです、どんなお店なんですか?」といった交流や会話が生まれるので、接点を作るにはピッタリなんですよ。
この名刺はメンバーなら作れるんですか?
1500円(税込)で100枚でお作りしています!
メンバーならマストバイですね!
HPを拝見すると「食べ歩く」を軸に、いろいろなアイデアや企画が実行されていますよね。
そうですね。「立川食べ歩き隊」を立ち上げてから10年近く、いろいろな企画をしてきました。
その中でオリジナルのTシャツを作った「フェスT大作戦」は想い出深いですね。
2021年、コロナ禍で会話も減りみんな外ではマスクをしている、そんな中で立川の飲食店のために何かできないかとメンバーと考えて企画をしました。
皆で「立川の飲食店を応援している」ことがわかるデザインの同じTシャツを着ていたら、会話をしなくても仲間同士で一体感が生まれ、そのデザインの中に音楽フェスティバルのようにお店のロゴや名前を入れたら、飲食店も勇気づけられるだろうと考えたんです。

「フェスT大作戦」で作ったTシャツ
確かに音楽フェスは一体感もありますし、アーティスト名が並んでいるTシャツは想い出にもなりますよね!
それが街の飲食店のロゴで作られていたら元気も出てきますね~!
実際に大きな反響をいただき、2023年に第2弾の「フェスT大作戦」も行いました。
「立川食べ歩き隊」のメンバーと楽しくお店で飲んでいると個人店の方たちも声をかけてくれて仲良くなったり、実際にお店の方で「立川食べ歩き隊」メンバーに入ってくれている方も多くいます。
コロナ禍で困っている、お世話になってきた飲食店を応援しようと「フェスT大作戦」の他にもいろいろアクションを起こしました。最初はテイクアウトの情報共有、あと飲食店の人にお店の話を聞くオンライン飲み会なども企画しましたね。「コロナが明けたらみんなで行こうよ」と。

実際のオンライン飲み会の様子
気分も落ち込み孤独感や疎外感を覚えてしまうような時期でしたから、「みんなで一緒に何かをしている」というだけでも元気が出ましたね。
今は制限がなくなって本当に良かったです。
はい、コロナ禍では「Tシャツで元気を」と思って企画していたのですが、少し落ち着いた今では実際の音楽フェスティバルのように皆で「Tシャツを着て集まりたい」となったんです(笑)。
それはどんな形がいいのか、いろいろ考えました。
そして、「コロナ前に楽しかったグルメフェス、みんなでつくろうか」というアイデアが出てきて、まちの得意分野の違うお店がみんな参加しやすくて、誰もが来たくなるフェスを考えた結果「餃子」を選び、立川の「フリースタイル餃子」を広めていこうとなったんです。
「立川フリースタイル餃子」!
最初は2024年3月にお試しでやってみたところ好感触で、昨年秋、2024年10月に立川で開催された「キッチンカーグルメ選手権」に、市内の飲食店と「立川フリースタイル餃子」で参戦しました。
▽試作中のフリースタイル餃子



ビアホールやピザ屋、牡蠣専門店などまちの様々な飲食店が参戦してくれ、餃子からそのお店を知ることができるオリジナリティあふれる餃子が生まれました。


「キッチンカーグルメ選手権」の様子


「立川食べ歩き隊」のメンバー(左)とイベントに協力してくれた立川の飲食店の皆さん(右)
餃子は包む料理だからこそいろいろな具材が使えそうですし、焼く、蒸す、茹でる…。なんでもありだからこそ楽しそう!
ですよね!
そして立川には大正元年創業の日本最古の「街中華」のお店があるんです。そういった意味でも立川と餃子には親和性がありました。
今回は最初なので「フリースタイル餃子」の真新しさで興味を惹ければと中華料理屋さん以外に参戦してもらいましたが、クラシックな餃子と一緒に楽しめるお祭りイベントにしていけるといいなと思っています。
どんな餃子がお披露目されたか気になりますが…、イベントは無事に成功したんでしょうか?
来てくれた人には楽しんでもらえましたが、実は当日までは大変でした…。
まずイベント出店時の餃子の提供がテントではできず、キッチンカーを準備する必要があったんです。
なんと!普通のお店さんはキッチンカーを持っていないことが多いですよね…。
そうなんです!ただ、イベントは実現したい。
でもイベント出店でお店の皆さんがキッチンカーまでレンタルすると赤字になってしまう。
そのため、今回はまちの人たちでキッチンカーを借りて参戦するためのクラウドファンディングを企画しました。
多くの皆様から協力をいただき、本当に感謝しています。
こんなにワクワクする「餃子」イベントなかなかないので、「立川フリースタイル餃子」が周知されてほしいです!
立川の飲食店以外も今後は参加できるのでしょうか?
はい、まだまだイベントの実現のために工夫が必要だなと思っていますが、「立川でやる餃子のイベント」なので、立川のお店はもちろん、市外のお店もぜひ出店してもらって交流ができればと考えています。
「立川フリースタイル餃子」の名称が広がっていき、市外からも人が来てくれ、さらにイベントのないときも通販で楽しめる、など広がりがでていくと嬉しいですね。
木嶋さんやメンバーの皆さん、「楽しく食べる」を続けながら立川を応援していますね!
飲食店の皆さんも「立川食べ歩き隊」さんの活動が多ければ多いほど賑わうので素敵な関係です。
「飲食店」とひとくくりにせずに、それぞれのお店にはそれぞれの個性があるのでひとつひとつ楽しみながら共有していければいいなと思います。
立川は個人店が魅力的で、それを支えたいというお客さんも多い街だと思います。
開発も進んでいますが個人店もともに成長している印象ですよね!
どんどん魅力的な地域になっていますね。
はい、立川はいろいろ新しいことに挑戦していく街だなと思っていますし、近隣から楽しみに来ている人たちも多いので交流も生まれやすいですよね。
「立川食べ歩き隊」に来て出会った昭島の人たちがつながり意気投合して「あきしま食いつくし隊」が生まれたり、この「立川食べ歩き隊」からいろいろ近隣にも楽しみが広がっているのは嬉しい限りです。
立川観光コンベンション協会でも新しい仕掛けをどんどんしていますので、自分の働きで何か街が変わる可能性がある、その事実にワクワクしますね。
みんなで楽しみながら、行けるところまで行ってみたいと思っています。
「食べる」ことで地域を盛り上げ、魅力を拡大させる「立川食べ歩き隊」さん…。
これからの活動やイベントも楽しみにしています!
本日はありがとうございました。
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