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中央線と暮らす〇〇(まるまる)
中央線と暮らす「木工チャレンジ」な人

2024.07.17
INTRODUCTION
魅力・不思議
小金井市で開催されている「木工チャレンジ」は、市内全体を使った大きな夏の自由研究だった! このチャレンジは「木工キット(500円)」を買って作って完成!では終わらない…。 追加のパーツを市内の店舗から無料でもらうことができるみたい! 40以上のお店が参加していて、材料集めるだけでもワクワクしちゃいそう! 「木工チャレンジ」の仕掛人、髙木さんのヒミツに迫ります。

●「中央線と暮らす〇〇な人(企業)」

「中央線と暮らす〇〇な人」では中央線沿線で活躍する企業や人に注目して、その活動や魅力を伝えていきます。

第4回は小金井市で開催されている「木工チャレンジ」の仕掛人、髙木さんです。

夏ですね~!

夏ですよ~。
夏と言えば海!花火!かき氷!
そして~自由研究っ!

今は体験ができる場所も多くなったし、インターネットで調べることもできるし、色々な自由研究があるよねぇ。

それでも昔から変わらず「モノづくり」や「図画工作」が人気の自由研究みたいだね。

普段よりもすごい「モノづくり」をしてみたいです!

7月から小金井市では毎年恒例の「木工チャレンジ」が開催されているよ。
このイベントは500円でキットを購入して作品を作るんだけど、なんと、追加の材料を市内のお店などから無料でもらうことができるんだ。

え~!歩いてアイテムをもらう冒険みたいだね!
楽しそう!

ややっ!
協力店舗に「ケーニッヒ」さん、「菓子工房ビルドルセ」さん、「和菓子処ならは」さん。
これまでもお世話になっているお店が入っていますね!
「木工チャレンジ」はもちろん楽しそうですが、これだけのお店が協力しているイベントがどうやってできたのかも気になっちゃいねぇ!

「木工チャレンジ実行委員会」の方にお会いできれば…お話しが聞けるかも⁉

1.「木工チャレンジ~集まれ小さな芸術家たち~」のヒミツ

※「木工チャレンジ」実行委員長の髙木さん(株式会社タカキ)がお話ししてくださいました。

こんにちは!
「木工チャレンジ」、小金井市内全体で盛り上がっていますよね~!
いわゆる「作品コンテスト」とは違うイベントなのでしょうか?

こんにちは。
そうですね、「チャレンジ」という言葉に意味があって、「木工チャレンジ」は競うためのコンテストにはしたくなかったんです。
「木のモノづくり」をやったことがない子どもが初めて作ってみる「チャレンジ」。
うまく作れる人はさらにうまく作るための「チャレンジ」。
そして大人としても、この「木工チャレンジ」を楽しく挑戦しながら継続していく「チャレンジ」。
そのような考えで「木工チャレンジ」を開催しています。

「キット」に入っている丁寧に加工された材料。500円(税込)

「チャレンジ」という表現だと、小さいお子さんでも参加しやすくなりますね!
「木工チャレンジ」はどんな目的・目標で開催されたのでしょうか?

「木工チャレンジ」は今年で10年目のイベントです。
1年目の企画を進める際に「開催の目的」を…

子どもたち、そして地域に暮らす人たちとともに

  • ①モノづくりの楽しさ、大切さを感じる
  • ②木に触れ、木と親しむ
  • ③地域でのつながりを広げる

と決めました。
自分たちだけの目的もひとつあって、「協力してくれる店舗・企業が地域で必要とされ続ける」ようなイベントにしたいと考えています。
毎年、企画を追加する場合もこの目的から外れないようにしています。

ビールと合うソーセージ編でご紹介した「ケーニッヒ」さんも協力店舗。店内に「木工チャレンジ」のキットがありました。

パンフレットやHPを見ると「チャレンジ」したくなりますね~!
みんなが楽しく参加することが、この3つの目的につながっていくんですね!
コンテストとは違う、「木工チャレンジ」の特徴はありますか?

「テーマ」や「ルール」を持たせないことが特徴でもあるかとおもいます。
まずは、子どもたちは自由な発想で「モノづくり」をしてほしいと思っています。
そして追加の材料を市内のお店からもらっていくのも大きな特徴です。

材料集め、気になっていました!
どのくらいのお店で材料を手に入れられるんですか?

前掛けの会社、風船の会社、瓦屋、金物屋、紙屋、電気屋…、色々な会社が材料提供に協力してくれていて、2024年は42のお店や企業で材料を提供しています。
小金井市内には全国的、また世界的に活躍する企業があるんです。
そういったものを知ってもらうために、普段なかなか訪れないようなお店や企業からも協力をいただいています。

500円は「木工チャレンジ」エントリー費用とのことですが、キットの内容は500円とは思えないほど充実しています。

飲食系のお店だけじゃないのが「モノづくり」のイベントらしくて素敵ですね。
実際にどのような材料をもらえるのですか?

これがまた一つのポイントになっています。
例えば、前掛けの会社からは前掛けを作るときに出る「ハギレ」を提供いただいています。
そのお店や企業のことが分かるような端材や不要となったものを材料として使っていただきます。

エコでSDGsですね~!
これは第1回から行っていたんですか?

再利用ももちろんですが材料をもらいに行く、つまりは「交流を作る」といった考えも大事でした。
最初の頃は実行委員会メンバーの4か所でキットを販売していましたが、それだけでは交流が増えないと思い、4年目にから材料を集める企画を試しに行い、5年目から本格的に開始しました。

絶対に材料をもらいに行きたくなりますね!
お店や会社のものをもらったら思い出になりそう!

セブンイレブン武蔵小金井駅東店さんで配布されていた「帆布ハギレ(エニシングさん提供)」、しっかりした生地で色々活用できそうです。

ある参加者さんから、「材料を配るお店で丁寧に説明を受け、それに感動してホームページを見たら、子どもにもここで働いてほしいと思いました!」とお話しを聞かせていただきました。
「協力してくれたお店を知ってもらい、好きになっていただく」そういった目的を達成しているなと、感じた瞬間でした。
ただ、その時は10か所くらい材料集めでお店を巡って、結局集めた材料は一切使わず作品を仕上げたそうです(笑)。

素敵!作品には使わなくても、きっと後で工作に使ったり、思い出に残っていますね。
作品が完成したら提出するんですよね?

武蔵小金井駅前の宮地楽器ホールで「展覧会」が開かれ皆さんの作品が展示されます。そして展覧会が終わった翌日には「表彰式」が開催されます。
作品は表彰式の日には返却されますので、こちらを夏休みの自由研究にして頂いている方もいます。

表彰式の様子

今年は絶対応募したいです!
応募した作品、すべてが展示されるんですか?

そうです。今年は宮地楽器ホール1階で8月21日から24日まで展覧会が開かれます。
ここでは「いいねカード」というものがあり、展覧会を見に来た人たちからコメントをいただくようにしています。

自分の作品にコメントをもらえたら嬉しくなりますね~!
表彰式もあるとのことですが、どのような形で行っているんでしょうか?

表彰式は思い出にも残るように宮地楽器ホールで人を招いて開催しています。
また審査については「上手い」の基準ではなく、審査員が気に入った作品を1つ選んでいただくような形にしています。審査員は組織の方から、大工さんやキャラクターデザイナーさん、色々な方がいます。

2023年グランプリ作品「おばけだぞー」1年生作品

2022年グランプリ作品「絵からとびだしてきたゴッホのひまわり」4年生作品

ちなみに…、大人の参加は…?

「木工チャレンジ」は~集まれ小さな芸術家たち~というサブタイトルもありますが、対象は小学6年生までとなっております。
過去のグランプリ作品では最年少で4歳、受賞だけではもっと小さなお子さんもいましたよ。

小さい頃から木材を使った工作ができる、そんな環境が素敵ですね。

「モノづくり」に興味を持ってもらうことも目的ですので、表彰した子どもたちを工場見学に連れて行く企画も行いました。
ただ、よく考えると表彰した子どもに限定するのはおかしいなと思い、昨年は応募した方の中から抽選にしました。
抽選にしたのですが、昨年は協力してくれた金澤建設さんが応募者全員を受け入れてくれました。

先日お世話になった「菓子工房ビルドルセ」の運営を行っている金澤建設さん!さすがです…!

今年は10周年となるので5つの特別企画を考えています。
実際の職人や大工さんと関われるものもあり、こちらは親子で楽しめると思います。
表彰式とその前日の8月24日、25日に武蔵小金井駅南口のフェスティバルコートで、大工さんたちが実際に家を建てる様子を見てもらおうと考えています。

えぇ~!
「木工チャレンジ」…、想像の域を超えていますねぇ。

こちらは災害時に必要となる、仮設住宅を作る予定です。
その他にも、親子で参加できるカンナ削り体験や、本物の大工さんたちが競うカンナ削り大会もあります。
木版ホッチキスを作ったり、10年の歴史を振り返ったり企画も用意しています。

まさに「モノづくり」の祭典ですね!

2.「木工チャレンジ」の始まりとつながりの輪

お話しを聞くと小金井市全体で楽しむ「モノづくり」のイベントだなと感じました。
これだけの協力を得るのは大変だと思いますが、どのように始められたのですか?

自分たちの会社のお話しになりますが、私はもともと銀行に勤めていて「木工チャレンジ」を始める前に「タカキホーム」という会社の代表をすることになりました。
もともとこの地域で仕事をしていた私の兄や父のことを知っている方は多かったのですが、私自身は地域のつながりがありませんでした。
そこで自分も何かできないかとと考え、知り合った仲間に相談しました。
私たちが材木を扱う会社でしたので、木材を加工するときにでる端材で何かできないかということになり、子どもたちが木に触れ楽しめる企画にしようと決めました。

「タカキホーム」さんが単独で開催するのではなく、地域の皆さんと始めたのですね。
それはとても大変そうですね!

元々、私も社員も地域の皆さんと交流することが少なかったのですが、木工チャレンジを通じて実行委員会のメンバーや地域の皆さんとやりとりをすることが増え、社内の人材育成にもつながったのではないかと思います。
つながりを増やすことも目的として、地域の皆さんに声をかけていき、現在も「木工チャレンジ」は様々な業種の方が関わる民間の有志で継続しています。

2021年グランプリ作品「小金井林間学校」6年生作品

HPやチラシのデザインも素敵ですし、これだけのお店や企業が関わっていて、すごい大きなイベントになりましたね!

正直、ここまで大きなイベントになったのは想定外でしたが、皆さんの協力のおかげで運営ができていると思います。
かつて参加者だった親御さんが、今は実行委員会に入ってくれたり、応募していた子どもたちが中学生になりボランティアとして手伝ってくれたりしています。
市内で参加用紙の地図を見ながら歩いている子どもたちを見ると嬉しくなりますね、自分にとっても分身のような大事なイベントです。

活動が制限されていた時期もあったかと思いますが、変わらず開催を続けてきたのでしょうか?

コロナ禍でも開催を続けました。
他のイベントが中止される中でしたので、我々も中止すべきではないかと検討しました。
ただ「木工チャレンジ」は集合するイベントではないことや、当時の市長や教育長、周りの皆さんから、ほとんどのイベントがなくなるのでやってほしいとの声もいただき、実施を決めました。
オンラインも活用したり色々対策しながらでしたが、表彰式はきちんと壇上で祝ってあげようと、時間をかけて1家族ごとを招き人が集まらないように開催しました。

SNSで24万いいねされた作品「バターしみしみパン」2年生作品

なんと嬉しい!皆さんずっと家にいた時期でもありますから、材料を買って楽しめて、表彰式まであると楽しくなりますね。
過去の動画を見るとオリジナルの音楽まで造られているんですね!

イベントで流す音楽も著作権などがあるので、テーマソングを作れないかなぁと思っていたんですが、介護・保育施設で働いているスタッフさんに音大卒の方がいて、自ら手を挙げて作詞作曲してくれました。
それをけやき通り商店会の会長でもある「あいたい屋」の益田さんが調整してくださったり、子どもたちも合唱に参加してくれたりしました。

どんどん「つながり」が広がっているんですね。
イベントを企画や進行するときに気を付けていることはありますか?

経営の大先輩が「物事は始めた時より、終わった時だ」と教えられていました。
こういったイベントは終わった後の方が大事だと思って、協力してくださったお店や企業にはこんな作品がグランプリになったという写真がのったお礼状も作り届けて回りました。
これもあって次の年にもつなげていけたかなと思います。

髙木さんや実行委員会の皆さんの行動力や企画力、そして地域の良さが全面に出ている企画ですね。
髙木さんにとって小金井エリアはどのような印象でしょうか?

いろいろな才能をもった方や、地域で様々な活動をしている方がたくさんいて、「小金井が好き」「もっといいまちにしたい」という人も多いところだと思っています。だからこそ、皆さんがこのイベントにも協力してくれたんだと思います。
私は「タカキホーム」から転勤して、今はグループ会社である「株式会社タカキ」に勤めています。
この会社は東大和が本社なのですが、会長である兄が、この小金井の「木工チャレンジ」の魅力を感じてくれて、今では東大和でも「木工チャレンジ」を始めています。
小金井とは全く同じものではなく、東大和では大人の部も用意してやっていますよ!

東大和にまでつながっていくんですね!
大人も参加できるのはちょっと嬉しいです!

本日は「木工チャレンジ」や、地域との関わり方について貴重なお話しをありがとうございました。とても勉強になりました!

早速、このあとキットを購入して、材料を集めてみたいと思います!

3.「木工チャレンジ」協力・協賛企業の声!「あいたい屋」

けやき通り商店街にあるROCK’N KITCHEN「あいたい屋」さん!
岩手で短角牛を所有している店主さんが、こだわった新鮮でおいしい肉を焼いてくれるお店なんだって!

お店の名前からも音楽が好きな感じが伝わってくるね!

ランチしながらちょっとだけ「木工チャレンジ」のお話しを聞いてみよう!

ROCK’N KITCHEN「あいたい屋」店主で、けやき通り商店会会長の益田さんがお話ししてくださいました。

こんにちは!
「木工チャレンジ」のイベント、「あいたい屋」さんはいつから協力されているんですか?

「木工チャレンジ」の立ち上げの時に声をかけていただきました。
ただ、ちょうどこの時に自分が商店会の会長になったり、他の理事もしていたため、実行委員会のメンバーまでは難しく、イベントの協賛と自分ができる範囲でのサポートをさせてほしいってお伝えしました。
実行委員ではなかったのですが、最初の頃は実行委員会のTシャツも着て参加していたんです。

店内の壁にギターや楽器がたくさんですね!
益田さんは演奏で「木工チャレンジ」テーマソングも手伝われたのですか?

作詞作曲は中村カノンさんという方で、「テーマソング」は編曲(編集)だけお手伝いをしました。
コロナ禍の前までは表彰式の時に「テーマソング」をみんなで歌おう!というタイミングがあったので演奏の手伝いにいっていましたよ。

表彰会や展覧会に参加されて、子どもたちの「木工チャレンジ」に対する反応はどうですか?

表彰式や展覧会は毎年見るようにしているのですが、年々レベルも上がっている印象です。
毎年、楽しんでいる人やファンが増えているんだと思います。

子どもたちの発想力には驚きすよね~!
「あいたい屋」さんでは材料提供はしたことがありますか?

キットの販売や材料提供についても相談があって、瓶のビールの蓋など考えたのですが、そこまで蓋の数が出せなかったり、そちらは断念しました。

地域と連携した「木工チャレンジ」ですが「あいたい屋」さんとしてどう感じていますか?

髙木さんの人とは違う視線がすごいなと思います。
商工会は商業・工業の仕事をする人たちが集まりますが、商業の皆さんは地域向けのイベントをやるのですが、工業の皆さんで地域向けイベントをやる方はなかなかいません。
工業部会で髙木さんだけが唯一、市民・地域を巻き込んでイベントを実施したいと色々な場所で声をかけていましたね。
そしてそこから10年は続けていることもすごいと思います!これからも続いてほしいイベントです。

色々な人が自分の才能を活かして協力しているイベントなんですねぇ~!
お忙しい中、ありがとうございます!
「牛すじカレー」いただいていきます!

牛すじカレー丼「ポークステーキトッピング」1,540円

牛すじ肉や野菜などのうま味が溶け込んでいるカレーはお肉屋さんならでは。ポークステーキはとっても厚めのカットですが驚くほどの柔らかさでリピート確定です!

ROCK’N KITCHEN あいたい屋
住所 小金井市本町2丁目9−11
営業時間 昼11時30分~14時 / 夜18時~22時

※食べ物L.O.21:00、ドリンクL.O. 21:30

定休日 水曜、(日曜のディナーは休み)
HP:  https://www.aitaiya.net/  

★7月のプレゼント

「ビールと合うソーセージ編」でご紹介した「ノイ・フランク」さん、「ソーセージハウスもぐもぐ」さん、「ケーニッヒ」さん、「ブラウエンベルグ」さんで使える商品割引券(1000円分)を各5名様(合計20名様)に、中央線と暮らすアプリの1日1回運試しくじの景品としてプレゼントを予定しています。ぜひご応募ください。

※セット内容は写真と異なります。

※「中央線と暮らす」アプリをインストールしていない方はこちら