吉祥寺にはたくさんの本屋さんがあって、個性も様々なんですって。
電子書籍やオンラインショップもたくさんある中で、いったいぜんたい「吉祥寺の本屋さん」にはどんな魅力が隠されてるっていうの?

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思い出をつくる、旅する本屋さん
街々書林
夏休み!なわけですが、旅行の前に行きたい本屋さんがあるんですよねぇ。
え~!旅行前に見る本って、ガイドブックとかじゃないの?
最近、中道通りにオープンした旅行好きの店主さんがいる本屋さんがあるらしいんですよぉ。

街々書林 店主の小柳さんがお話ししてくれました。
わ~!明るくて広いお店!

こんにちは~。
このお店は本屋ですが、ぎゅうぎゅうに並べるのではなく、少しゆとりがあるように本を並べています。さらに建築家さんがこだわってくれて、天井と壁の角もカーブを作り間接照明を使うことで影が柔らくなっているので、明るく、広く感じると思います。
言われて見ると、すご~くすっきりして見えますね!
それと本のエリアによってテーマが決まっているんです。そのおかげで説明がなくても本の表紙でその周辺の本の様子がわかるようになっています。

すごい考えられて、このすっきりが生まれているんですね~!
入口にあるお店の名前の周りに、「旅する本屋」の文字と飛行機が飛んでいましたが、ここは旅に関係する本屋さんなんですか?

そうです、ここは旅の本屋なんです。
旅って普通は「ガイドブック」に直行しますね。
でも、うちのお店では「旅先や目的地に対する興味と敬意を持つこと」をコンセプトにしています。
きれいな写真を撮るのももちろん良いのですが、旅先のことを行く前にちょっとだけ知ってもらうと、ぱっと見えたものが深く見えたりすると思うんです。
興味ってきれいな風景だけじゃなく、もっと歴史とかそういった中身のことなんですね~。
確かに、きれいな場所はどこだ~!美味しいものはどこだ~!って、なりがちですね…。
あと敬意も大事。敬意はその場所や人のことを知っておいて、失礼や迷惑がないようにすることだと思っています。
それを聞くだけで、旅行に行く前の気持ちが変わりそうです。
お店では実際、どんな本を置いているのでしょうか?
自分が選んだものも置いていますが、自分の趣味よりは間口を広げてセレクトしています。
旅といっても、ところどころにエッジの効いた本も置いてあるんですよ。
例えば富士山ではこの「霊峰の文化史」という本。富士山信仰ついてきっちり書いた本もあるんです。
あと自分が大好きな場所でもある、熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道の本。どちらも世界文化遺産で、実は姉妹巡礼道になっているので、この2冊は意図的にセットで置いていたりします。
本棚を見ていくと、隣に関係した本や新しい発見があるのが、リアルな本屋さんの良さですよね。新刊がほとんどですが、一部絶版となったもので紹介したいものがあれば古書として置いていることもあります。
旅の本といっても、考え方でいろんな本があるんですね~。
壁の地図は何か意味があるんですか?

これも設計事務所さんのこだわりで、私が使った地図を入れてもらいました。
スイス・ユングフラウ、パリ、ロンドン、ミラノ、プラハ、北京…。あと1950年の香港、ニューヨークは200年近く前の地図や、航空地図もありますね。
地図は旅のお供で、思い出ですね~!面白いです。
吉祥寺は観光に来る方も多いかと思いますが、ここでお店を出されてどうでしたでしょうか?
街々書林さんの名前の由来も気になります!
吉祥寺は昔から遊んでいたエリアですし、都会すぎず田舎すぎずなところが気に入っていますね。
旅は色々ありますが、私は密集した都会的な集落が好きなので「街々」。それだけだと都会的なイメージに偏っちゃうので、「自然」の意味合いもある林で、書林という言葉がぴったりだと思い、お店の名前は「街々書林」としました。
人通りが多いけど、公園も近いこの場所にぴったりなお名前ですね!
本ではないんですが、この素敵な風景のポストカードも小柳さんの旅行と関係しているんですか?

それは私が撮影したものなんですよ。
横の活版印刷のイラストは奈良で旅行中に見つけたものを仕入れて販売させてもらっています。
え~!プロすぎます!
まだ準備中ですがちょっとしたギャラリースペースも用意してあるので、作家さんや写真家さんの展示会なんかもやりたいと思っています。

旅する本屋さんでのおすすめの本を教えてくれますか?
どうしましょう。これも良いんだけど、どれが良いかなぁ~。

1つめはこれにします。
松鳥むうさんの「むう風土記」。
これは日本旅行作家協会の「第5回 旅の良書」に選ばれた本です。ご本人がイラストレーターさんなので、デザイン的にはおちゃらけて描いているように見えるのですが、内容はものすご~くまじめなアプローチをしているんです。
まさに最初にお話しした「旅先への興味と敬意」を感じる本でおすすめです。
確かに、絵が楽しそうだから読みやすそうですね!
もうひとつは、「白菊」。
第二次世界大戦の終わりのころ、新潟県の長岡に空襲があり多くの方が亡くなりました。
終戦後に旧ソ連で抑留生活を送った花火師が、白一色の鎮魂の花火をロシア・ハバロフスク市で打ち上げたということと、その後に長岡花火でも打ち上げられてきたというお話しです。
長岡という場所だけじゃなく、白い花火を見るときもちょっと見え方が変わりそうですね。
素敵な本です!ありがとうございます。
早速、みんなで旅行行きたくなりました~。
ありがとうございました!


住所: | 吉祥寺本町3丁目3−9 サニーコーポアライ 102 |
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営業時間: | 12:34~18:00 |
定休日: | 月・火曜日 年末年始など |
HP: | https://machi2.hp.peraichi.com/tabi/ |
※訪問時の情報となります。以下よりご確認の上、ご来店ください。 |
大人の旅の楽しみ方、考え方を学べた気がします!
街々書林さんには本だけじゃなくトラベラーズノートやペンも置いてあったよ。
本当に「旅」の考え方が変わって楽しくなりますねぇ。
今日はたくさん本屋さんを巡れたね!
そうだね~!
帰ったらたくさん読まなきゃ!
旅行の計画もしちゃお~!
【おすすめ本をプレゼント】
今回お店の皆様にご紹介いただいた本は、中央線と暮らすアプリの1日1回運試しくじの景品としてプレゼントを予定しています。前編の本も含め、抽選で計12名様にプレゼントいたします。ぜひご応募ください。





吉祥寺の本屋さん編
【前編】では市内の絵本専門店や自分で出店できるカフェを、【後編】では吉祥寺エリアの古本屋さんと旅の本屋さんを訪れます。素敵な本屋さんをぜひチェックしてみてください。