2.2

中央線と暮らす〇〇(まるまる)
吉祥寺の本屋さん編(後編)

2023.08.02
INTRODUCTION
魅力・不思議
街の本屋さん、どんな本屋さんを思い浮かべますか?
吉祥寺にはたくさんの本屋さんがあって、個性も様々なんですって。
電子書籍やオンラインショップもたくさんある中で、いったいぜんたい「吉祥寺の本屋さん」にはどんな魅力が隠されてるっていうの?

吉祥寺の本屋さん(後編)

カフェでほっこり休んだことだし。
本屋巡り後半は古本屋さんに行ってみましょ~!

古本屋さんって漫画もあるよね⁉

大きなところでは漫画もあるけど…、どうなんだろ~?
でも、どんな本が置いてあるのかわくわくするのが本屋巡りの楽しみ方だよねぇ。
いくつか行きたいお店決めてあるから行ってみよ!

5. 様々なジャンルの古本に囲まれて

古本よみた屋

吉祥寺駅からすぐの「よみた屋」さん!
いつも外に並ぶ本のセレクトが面白くて気になってたんだよぉ。

あっ!前に通った時、外のコーナーに漫画があったお店だ!

今日は漫画じゃなかったね。
外のコーナーも楽しそうだけど、まずは中に入ってみよ~!

古本よみた屋の代表の澄田さんと店長の佐藤さんがお話ししてくださいました。

こんにちは!いつもお店の前を通って気になっていました!
中に入ると本がたくさんあって素敵な場所ですね~。
そして、駅から近いのも嬉しいです!

こんにちは。
最初は吉祥寺駅の近くではなく、西荻窪のほうで1992年に創業したんですよ。
人通りがあり、本が好きな方も多く、できれば23区内と思って始めたのですが、西荻窪は休日運転で停まらなかった※ので、土日も中央線が停まる場所、そしてもう少し広い店舗で…、と色々考えて5年後の1997年に吉祥寺でお店を始めました。

※当時、中央線の休日運転では土曜日は停まっていたそうです!

吉祥寺で25年以上になるんですね~!
今日は吉祥寺周辺で本屋巡りしているのですが、この場所、吉祥寺で良かったと感じることはありますか?

西荻窪の時はご近所のお客様が多かったのですが、吉祥寺では他の街から「本」が目的でお買い物にいらっしゃる方も多く、少し値段が高い本に興味を持っていただくことが増えました。
そういった吉祥寺の特色が、お店としてもありがたいなと感じます。

そうですね、デパートもあるので買い回りをしている人も多いよね。

吉祥寺には本屋さんが多いので、本屋巡りしている人も多いですね。

まさに、今日巡ってました。(笑)

でも、僕らが吉祥寺に移転した時には、そんなでもなかったんですよ。
増えたり、無くなったりもしていますが、ここ数年は専門的な本屋さんが増えているような気がしますね。

確かに、今日は絵本屋さんを最初巡ってきたのですが、絵本専門のお店だけでも数店舗ありました!

よみた屋さんには絵本や漫画まであるんですよね!

そうですね。狭いジャンルを追及するのではなく、なんでも、広く本を置きたいなと思ってやっています。

その中で、もちろん定価より安い本を探す方もいれば、手に入らなくなった本を探している方、同じ本でも時代によって内容が少し違うものを探している方もいらっしゃいます。
人の手から手に受け継がれてきたものが良いと思ってくれる人もいらっしゃると思います。
新品の代用品ではない、古本ならではというものを大事にしていきたいと思っています。

これだけご本があるので、なかなか難しいかもしれませんが、おすすめの本はありますか?

そうですね。うちでは100円コーナーがあるのでその中から…

1つめは「游侠奇談」です。
清水の次郎長など幕末の侠客について書かれたものです。
「天保水滸伝」という講談にもなった、実際にあった利根川での侠客たちの争いの話があるのですが、それに登場する侠客の話も載っています。
あとこの本、ケースも中身の見た目もとても良いです。

さっと持ってきたいただいた本1冊でも澄田さんの知識量がすごいです~!
そしてケースも言われてみるとかっこいい、古本ならではの良さですね!

次に、池田 弥三郎さんというエッセイストが書いた「日本橋私記」。
日本橋を中心とした江戸東京の本です。こちらもデザインが良いですね。
これも100円コーナーからですよ。

文字でちょっと昔の東京の様子を知るのも楽しそう!

後は「セールスマンの死」などで有名な劇作家アーサー・ミラーの全集です。

これも装丁がかっこいいですね。

これ定価がお高いみたいですが…、全部100円なんですか!?

僕らの100円コーナーは「今日の掘り出し物」みたいなもので、特別ですね。(笑)

いつも掘り出し物は夕方にはなくなっています。(笑)

本好きにはたまらないサービス精神!
ありがとうございます!
100円コーナーだけだと申し訳ないので…、他にもおすすめがありますか?

吉祥寺という場所もあってか演劇に関わるお客様も多く、戯曲を書くためのヒントとなる本を探しに来る方もいらっしゃるんです。
その中でも人気のある別役 実さんが書いた「マッチ売りの少女/象」はいかがでしょう?

マッチ売りの少女は知ってましたが…、戯曲って演劇の人のために書かれたものですよね。知らない世界が広がりますね~!

子供向けで人気がある「膝栗毛物語」なんかもおすすめですよ!
子供向けの本は古本なのでボロボロになることが多いのですが、この子はあまり読まれなかったんでしょうかね…。(笑)または大人の方が持っていたのか、函もとってもきれいです。

もともと十返舎一九という人が江戸時代に書いた、弥次さんと喜多さんの珍道中のお話しを子供向けに作り変えたものですね。

今のものと違って絵が面白いです!
読んでみたいです~!

本に関係する知識が豊富ですね!
追加の情報までいただけて嬉しいです!
ご紹介ありがとうございます~!

古本よみた屋
住所:  吉祥寺南町2丁目6−10  
定休日: 年中無休 (年末年始を除く)
営業時間: 10:00~22:00
HP:  https://yomitaya.co.jp/  

※訪問時の情報となります。以下よりご確認の上、ご来店ください。

「よみた屋」さんだけあって、ご紹介いただいた本は知らない世界で、読みたくなりましたねぇ!

おふたりの会話のやりとりが勉強になったし、とってもほっこりしたね!
本当に本の知識もたっぷりだったね。

また掘り出し物探しに遊びにきましょ~!

6. 本が大好きな店主さんと古本の魅力

古本のんき

私調べによると、よみた屋さんのすぐ近くに、「古本のんき」さんがあるんですよ。

吉祥寺は本のデパートみたいだね!
本屋巡りにはぴったり!

早速行ってみましょ~。

古本のんきの店主、西村さんがお話ししてくださいました。

こんにちは~!
「古本のんき」さんは、いつ頃オープンしたんでしょうか?

こんにちは。
このお店は2021年3月31日にオープンしました。

吉祥寺にお店を出すと決めた理由があったんでしょうか?

自分がこのあたりで生活もしていたので、自分が街の雰囲気を知っている場所にしました。
もともと好きな吉祥寺だったので、毎日通っているのは楽しいですね。
土日などのお休みの日は、吉祥寺に遊びにいらした方がふらっと立ち寄って、本を買ってくださると嬉しい気持ちになっています。

たしかにふらっと立ち寄りたくなるような、目を引く本がいっぱいですね!
ここに来る前にも本屋さんに寄ってきたのですが…?
近くに本屋さんがたくさんあると大変だったりしませんか?

そうですね~。
古本屋さんは特別で、似たお店があったからといって避けるのではなく、3つあったら3つ行くようなお客様が多いのかな~と思います。
ただ吉祥寺の本屋さんは個性がある本屋さんが多く、まだちょっと自信はないところもあるのですが…。(笑)

そんなそんな!
置いてある本も素敵ですし、西村さんの本のお話しも素敵です~。

写真集やちょっと不思議な絵本もありますが、置いてある本は西村さんがセレクトしているんですか?

うちのお店は買い取りだけでなく、古書の市場に行くこともあります。
そこでは私が好きなジャンルに行ってしまうことはもちろんあるのですが…、本屋さんではいろいろなジャンルが置いてあると楽しいと思うので…できるだけ色々なジャンルで、自分がおもしろそうだなと思えるものを置くようにしています。

本のジャンルもたくさんありますよね。
市場も楽しそうですが、知識がないと大変そうですね~。

私は以前、大型新刊書店に勤めていたのですが、そこでは様々なジャンルの本が置いてありました。小説が好きだったのですが、そういったところで働いていたおかげで全然知らないジャンルも発見できました。
そんな感覚で例えば絵本を買いに来たけど、ついでにお店の中をぐるっとみて、「こんな本があるんだ」と気づいたり、発見したりしてほしいなって思います!

古本屋さんはいつも発見があって、宝探しみたいで楽しいですよね~。

自分も本が好きだと思っていたのですが、いつも発見があって、全然こんなものじゃないんだ!と感じていますよ。

昔から書店でお勤めされていたとのことですが、ずっと本が好きなんですね~。素敵です!

本屋さんをやっていて大変なこともありますが、本のお仕事がやっぱり楽しいです。実は私、本当は飽きっぽい性格なんですが、本屋さんをしていると楽しくて飽きないんです。(笑)
市場で大先輩の方が、「こんな本があったんだなぁ。」とお話ししているのを見ると、まだまだ本の世界を楽しめるんだろうなと感じています。

素敵なお話しですね~!もっと本を読みたくなりました。
見た目もおしゃれな本が並んでいますが、おすすめはありますか?

そうですね、1つは私が若いころから好きだった横尾忠則さんの「私の夢日記」。
実はこれ文庫になっていて、気軽に読めるんです。

これは文庫じゃなくしっかりした本ですね。

最近の本では函入りの本は少ないのですが、ちょっと昔の本は装丁がめちゃくちゃ凝っているんですよ。この横尾忠則さんの本、ご本人が自身で装丁しているので、この文字組や色もめちゃくちゃかっこいいんです。「これ自体が作品じゃん!」って思うんです。
文庫では確かに気軽に読めますが、横尾忠則さんの「作品」と考えたら千円前後で買えるって、めちゃくちゃすごいなって思いませんか?(笑)

本が好きな方にご紹介されるとこと、魅力がしっかり伝わってきて中が気になってきますね!
もうひとつ何か、他のお店でなさそうな面白いものありますか?

これはどうでしょうか?
昭和12年の「婦人之友」なんですけど…。
映画や歴史で見る戦後や戦前ってみんなお腹すかせて、貧しいイメージがあったりしませんか?でも、大正末期から昭和前期の小説を読んでみると、めちゃくちゃ楽しそうで、陽気なんですよ。戦争が起きなかったら、日本はこの路線で陽気な国だったんじゃないかなぁと考えてしまい、そんな日本に行ってみたくなります。
これは、そんな時代の雑誌ですが、広告ひとつとってもオシャレだったり、書かれているものが面白いんです。雑誌なので色々な特集が載っていて、生活を楽しくしようとする術や、今でもあまり聞かない料理の作り方など、明るく生きようとするものが詰まっています。

普段ではなかなか昔の雑誌は見ることがないですが、そう言われて見ると、歴史の勉強以上にその時代がわかりそうですね。面白い…!
新しい発見をありがとうございました!

「古本のんき」さんは、高円寺、五反田、神田にある古書会館で開催される古書組合のイベントに出店されることもあるみたいだよ!

どんな本を持ってくるのか…、イベントもまた楽しそうだねぇ!

古本のんき
住所  吉祥寺南町2丁目4−6 アイリスコーポ  
営業時間: 12:00~20:00
定休日: 火曜日
HP:  https://www.nonki-books.com/  

※訪問時の情報となります。以下よりご確認の上、ご来店ください。

7.本を通じたコミュニケーション、出会いがある場所

百年と一日

次はどこに行くのかな?

また本町エリアに戻って「百年」さんに行ってみよぉ!

本屋巡りは楽しいけど…、荷物が…、重くなってきたね

絵本も買ったもんねぇ(笑)。
お、百年さんはこの建物の2階みたいだよ!

あれ?入口付近にたくさん人がいるよ?入っていいのかな?

こんにちは~!イラストレーターのマコイです。
今日は中で個展が開かれているんですよ。どうぞどうぞ!

こんにちは~、そしてお邪魔しま~す!

ポップでかわいい絵がいっぱい!

これはわたしが、色紙を切って貼って作った作品なんですよ。

マコイさんの個展だったんですね!
切って貼って書いた絵には見えませんね~!

アクリル絵の具かと思いました~!

入口の扉の横の絵は絵本作家の佐野洋子さんの「わたしのぼうし」と言う絵本の感想画なんですよ!

わ~!帽子を押さえている様子が「わたしのぼうし」のタイトルにぴったり!

作品も「本」とつながりがあって、本とアート作品が楽しめる空間になっているなんて素敵ですね。

「本」を見にいらしてたのですよね。百年さんのスタッフさんはあちらですよ~!

マコイさん、お優しい!ありがとうございます。

イラストレーター マコイ
HP:  http://maco-i.com/  

こんにちは~!

こんにちは~!

百年の尾関さんがお話ししてくれました。

個展も開かれていて、吉祥寺らしい素敵な場所ですね!

こんにちは。吉祥寺は人も多く、訪れやすい街ですね。
百年は2階のお店ですが、そういったこともあってたくさんの方に立ち寄ってもらっています。

個展もしていましたが、アートのような本が多いんでしょうか?

写真集や画集ももちろんありますが、漫画から文庫まで、一冊でも買い取っています。料理、哲学、将棋の本までジャンルは色々です。0歳から楽しめる絵本もありますよ。

百年さんのお店の名前、やっぱり本を百年先までといったような意味なんですか?

店主は、本は扱い方によっては人より長く生きているので、おばけみたいとも言っていますが…、名前の由来は是非たずねてみてください。
お店の考え方としては、本の売り買いなどを通じてコミュニケーションをとれる本屋でありたいと考えています。
これが強いジャンルというものは無く、色々なジャンルの本でお待ちして、この店に来たら探しているものがあるかもしれないという、古本屋ならではの楽しい感じを持ってほしいなと思います。

先ほどもマコイさんに色々とお話ししていただき、コミュニケーションはもちろん、素敵な作品と出会いがありました!

尾関さんもお店で何かそういったコミュニケーションや出会いのようなものはありましたか?

そうですね~。
昨年の1年間くらい、週に1度くらい買い取りのために通っていた場所があったんです。そこは2階建ての蔵で、蔵の中のスペースがすべて本だったんですよ。
ひたすら本を買っていた方が、読み終えた何万冊もの本をそこにしまっていき、本棚からあふれた本が背丈ほど積まれている、その非現実的な光景が印象に残っていますね。

映画みたいですね!
定期的にイベントや展示会は開かれているのですか?

実はうちのお店の本棚は動くので、夜早めに閉めてスペースを作りトークイベントなどを行っていました。最近は人を集めるイベントが行いにくかったので実施ができておらず、オンラインで数回開催しました。
それと、ここでは店内の一角で展示を行っていますが、近くにある姉妹店の「一日」ではギャラリースペースを設けて色んな作家による展示を行っています。

2つのお店で「百年」と「一日」だったんですね!
最後に…、おすすめの本を教えていただけますでしょうか?

うちは基本は古本ですが、新刊も扱っていて…、
詩人の大崎清夏さんが「目を開けてごらん、離陸するから」というタイトルの小説を作られていて、こちらなんかいかがでしょうか?
実は、巻頭の「ヘミングウェイたち」という一篇には、このお店にいらっしゃったときのこと、吉祥寺にちなんだお話しが書いてあるんですよ。

今日歩いた吉祥寺のことが出てくるのは、ちょっと読んでみたくなりますね!

本屋さんは本を売るだけじゃなく、買い取りやイベントもしていてお忙しいんですね。そんなお忙しいところありがとうございました!

百年
住所  吉祥寺本町2丁目2−10 村田ビル 2F  
営業時間: 12:00~20:00
定休日: 火曜日
HP:  http://www.100hyakunen.com/  

※訪問時の情報となります。以下よりご確認の上、ご来店ください。

8. 思い出をつくる、旅する本屋さん

街々書林

夏休み!なわけですが、旅行の前に行きたい本屋さんがあるんですよねぇ。

え~!旅行前に見る本って、ガイドブックとかじゃないの?

最近、中道通りにオープンした旅行好きの店主さんがいる本屋さんがあるらしいんですよぉ。

街々書林 店主の小柳さんがお話ししてくれました。

わ~!明るくて広いお店!

こんにちは~。
このお店は本屋ですが、ぎゅうぎゅうに並べるのではなく、少しゆとりがあるように本を並べています。さらに建築家さんがこだわってくれて、天井と壁の角もカーブを作り間接照明を使うことで影が柔らくなっているので、明るく、広く感じると思います。

言われて見ると、すご~くすっきりして見えますね!

それと本のエリアによってテーマが決まっているんです。そのおかげで説明がなくても本の表紙でその周辺の本の様子がわかるようになっています。

すごい考えられて、このすっきりが生まれているんですね~!
入口にあるお店の名前の周りに、「旅する本屋」の文字と飛行機が飛んでいましたが、ここは旅に関係する本屋さんなんですか?

そうです、ここは旅の本屋なんです。
旅って普通は「ガイドブック」に直行しますね。
でも、うちのお店では「旅先や目的地に対する興味と敬意を持つこと」をコンセプトにしています。
きれいな写真を撮るのももちろん良いのですが、旅先のことを行く前にちょっとだけ知ってもらうと、ぱっと見えたものが深く見えたりすると思うんです。

興味ってきれいな風景だけじゃなく、もっと歴史とかそういった中身のことなんですね~。
確かに、きれいな場所はどこだ~!美味しいものはどこだ~!って、なりがちですね…。

あと敬意も大事。敬意はその場所や人のことを知っておいて、失礼や迷惑がないようにすることだと思っています。

それを聞くだけで、旅行に行く前の気持ちが変わりそうです。
お店では実際、どんな本を置いているのでしょうか?

自分が選んだものも置いていますが、自分の趣味よりは間口を広げてセレクトしています。
旅といっても、ところどころにエッジの効いた本も置いてあるんですよ。
例えば富士山ではこの「霊峰の文化史」という本。富士山信仰ついてきっちり書いた本もあるんです。

あと自分が大好きな場所でもある、熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道の本。どちらも世界文化遺産で、実は姉妹巡礼道になっているので、この2冊は意図的にセットで置いていたりします。
本棚を見ていくと、隣に関係した本や新しい発見があるのが、リアルな本屋さんの良さですよね。新刊がほとんどですが、一部絶版となったもので紹介したいものがあれば古書として置いていることもあります。

旅の本といっても、考え方でいろんな本があるんですね~。
壁の地図は何か意味があるんですか?

これも設計事務所さんのこだわりで、私が使った地図を入れてもらいました。
スイス・ユングフラウ、パリ、ロンドン、ミラノ、プラハ、北京…。あと1950年の香港、ニューヨークは200年近く前の地図や、航空地図もありますね。

地図は旅のお供で、思い出ですね~!面白いです。
吉祥寺は観光に来る方も多いかと思いますが、ここでお店を出されてどうでしたでしょうか?

街々書林さんの名前の由来も気になります!

吉祥寺は昔から遊んでいたエリアですし、都会すぎず田舎すぎずなところが気に入っていますね。
旅は色々ありますが、私は密集した都会的な集落が好きなので「街々」。それだけだと都会的なイメージに偏っちゃうので、「自然」の意味合いもある林で、書林という言葉がぴったりだと思い、お店の名前は「街々書林」としました。

人通りが多いけど、公園も近いこの場所にぴったりなお名前ですね!
本ではないんですが、この素敵な風景のポストカードも小柳さんの旅行と関係しているんですか?

それは私が撮影したものなんですよ。
横の活版印刷のイラストは奈良で旅行中に見つけたものを仕入れて販売させてもらっています。

え~!プロすぎます!

まだ準備中ですがちょっとしたギャラリースペースも用意してあるので、作家さんや写真家さんの展示会なんかもやりたいと思っています。

旅する本屋さんでのおすすめの本を教えてくれますか?

どうしましょう。これも良いんだけど、どれが良いかなぁ~。

1つめはこれにします。
松鳥むうさんの「むう風土記」。
これは日本旅行作家協会の「第5回 旅の良書」に選ばれた本です。ご本人がイラストレーターさんなので、デザイン的にはおちゃらけて描いているように見えるのですが、内容はものすご~くまじめなアプローチをしているんです。
まさに最初にお話しした「旅先への興味と敬意」を感じる本でおすすめです。

確かに、絵が楽しそうだから読みやすそうですね!

もうひとつは、「白菊」。
第二次世界大戦の終わりのころ、新潟県の長岡に空襲があり多くの方が亡くなりました。
終戦後に旧ソ連で抑留生活を送った花火師が、白一色の鎮魂の花火をロシア・ハバロフスク市で打ち上げたということと、その後に長岡花火でも打ち上げられてきたというお話しです。

長岡という場所だけじゃなく、白い花火を見るときもちょっと見え方が変わりそうですね。
素敵な本です!ありがとうございます。

早速、みんなで旅行行きたくなりました~。
ありがとうございました!

街々書林
住所:  吉祥寺本町3丁目3−9 サニーコーポアライ 102  
営業時間: 12:34~18:00
定休日: 月・火曜日 年末年始など
HP:  https://machi2.hp.peraichi.com/tabi/  

※訪問時の情報となります。以下よりご確認の上、ご来店ください。

大人の旅の楽しみ方、考え方を学べた気がします!

街々書林さんには本だけじゃなくトラベラーズノートやペンも置いてあったよ。

本当に「旅」の考え方が変わって楽しくなりますねぇ。

今日はたくさん本屋さんを巡れたね!

そうだね~!
帰ったらたくさん読まなきゃ!

旅行の計画もしちゃお~!

【おすすめ本をプレゼント】

今回お店の皆様にご紹介いただいた本は、中央線と暮らすアプリの1日1回運試しくじの景品としてプレゼントを予定しています。前編の本も含め、抽選で計12名様にプレゼントいたします。ぜひご応募ください。

【前編】吉祥寺の絵本屋さんや自分が本屋さんになれるカフェにGO!

【前編】では吉祥寺エリアの絵本屋さんなどを訪れます。